世界のめずらしいコインの多くは、アメリカやヨーロッパのオークションで取引されています。今はインターネットで日本からも入札できるので、海外オークションは身近な買い物の場になりました。
ただ、言葉や通貨、手数料、輸入の手続きなど、国内で買うときとは違う点もあります。この記事では、海外のコインオークションに初めて参加する方に向けて、登録から落札、支払い、受け取りまでの流れをまとめます。
結論:流れは7ステップ。費用は「落札価格+手数料+送料+税金」
- オークションを探す
- オークションハウスに登録する
- オークションの条件(規約)を読む
- 入札する
- 落札したら請求書を確認して支払う
- 発送してもらう
- 日本で受け取る(輸入の税金を払う)
落札価格だけでなく、落札手数料(バイヤーズプレミアム)・送料・保険料・輸入の消費税まで含めた「総額」で考えるのが、いちばん大切なポイントです。
1. オークションを探す
主なオークションハウスは、それぞれ自社のサイトで出品物(ロット)を公開しています。いろいろなオークションをまとめて探せるサイトもあります。
- NumisBids:世界の多くのコインオークションのカタログを、同じ形式で見られるサイトです。欲しいコインが出品されたら知らせてくれる機能もあります。
- Sixbid:ヨーロッパを中心に、多くのオークションハウスが参加するサイトです。日本語表示にも対応しています。
- Biddr:ヨーロッパのオークションハウスを中心に使われているサイトです。
当サイトの国内・海外 コインオークション日程でも、主なオークションの開催日をまとめています。あわせてご活用ください。
2. オークションハウスに登録する
入札するには、オークションハウス(または上のような入札サイト)に会員登録が必要です。名前、住所、電話番号、メールアドレスなどを登録します。初めての人は、本人確認書類の提出や、クレジットカードの登録、取引の実績(ほかのオークションハウスでの取引歴)を求められることもあります。
登録の承認には数日かかることがあるので、入札したいオークションの数日前までに済ませておきましょう。
3. オークションの条件(規約)を読む
入札する前に、そのオークションの規約(Terms and Conditions)を必ず読みます。特に次の点を確認しましょう。
| 確認すること | 内容 |
|---|---|
| 落札手数料(バイヤーズプレミアム) | 落札価格に上乗せされる手数料です。アメリカの大手Heritage Auctionsのコイン部門では落札価格の20%(1点ごとの最低額あり)となっているなど、20%前後のところが多く見られます。 |
| 通貨 | アメリカならドル、ヨーロッパならユーロ、スイスならスイスフランなど、オークションハウスの国の通貨で支払います。 |
| 付加価値税(VAT) | ヨーロッパでは、品物の種類や発送先によって付加価値税の扱いが変わります。日本へ発送する場合の扱いを確認しましょう。 |
| 入札の刻み・最低入札額 | 入札できる金額の刻みが決まっています。ドイツのKünkerのように、最低入札額を評価額の80%と決めているところもあります。 |
| 支払い方法と期限 | 銀行振込、クレジットカードなど、使える方法と支払い期限を確認します。 |
| 送料・保険 | 海外発送に対応しているか、送料と保険料はいくらかを確認します。 |
| 返品・保証 | 真贋の保証や返品の条件です。鑑定会社のケース(スラブ)に入ったコインは、オークションハウス独自の保証の対象外としているところもあります。 |
4. 入札する
入札の方法
- 事前入札:オークションが始まる前に「ここまでなら出す」という上限額を入れておく方法です。時差で深夜になるオークションでも参加できます。
- ライブ入札:オークション当日に、インターネットで中継を見ながらリアルタイムで入札する方法です。
- 電話入札など:高額のロットでは、電話で入札できるオークションもあります。
上限額の決め方
手数料を含めた総額で考えます。たとえば落札手数料が20%なら、「総額で12万円まで」と決めた場合、落札価格の上限は10万円になります(10万円×1.2=12万円)。ここに送料・保険料・輸入の消費税が加わる点も忘れないようにしましょう。
入札は、いったん落札すると取り消しができないのが原則です。ロットの説明や写真をよく見てから入札しましょう。
カタログの状態表記に注意
ヨーロッパのカタログでは、状態がその国の言葉で書かれていることがあります。たとえばドイツ語の「vz」はEF前後、「ss」はVF前後、フランス語の「SUP」はEF前後、「TTB」はVF前後を表します。
5. 落札したら支払う
落札すると、オークション終了後に請求書(インボイス)がメールなどで届きます。落札価格、手数料、送料、保険料などが正しいか確認し、期限までに支払います。
海外への銀行振込は、送金手数料や為替レートの上乗せで、思ったより費用がかかることがあります。支払い方法による費用の違いは、アンティークコインの落札代金をWiseで支払う方法の記事でも詳しく紹介しています。
6. 発送してもらう
支払いが確認されると、オークションハウスから発送されます。高額なコインは、追跡と保険のついた方法で送ってもらいましょう。
古代コインなど一部の古い品は、輸出する国の文化財保護のルールで輸出許可が必要になり、発送までに時間がかかることがあります。
7. 日本で受け取る
海外から届いたコインには、輸入の税金がかかります。日本の関税率表では、貨幣(コイン)の関税は無税とされていますが、収集用のコインには輸入の消費税(地方消費税を含む)がかかるのが一般的です。税金は、配送業者や郵便局から受け取りのときに請求されることが多く、金額は税関の計算によって決まります。
高額な取引や、仕事として継続的に売買する場合は、税金の扱いが変わることもあります。不安な場合は、税関や税理士に確認しましょう。
よくある失敗
- 手数料を忘れて入札:落札価格の20%前後が上乗せされることを忘れて、予算を超えてしまう。
- 通貨を勘違い:ユーロとスイスフラン、ドルなど、どの通貨の金額か確認しないまま入札してしまう。
- 時差の勘違い:ライブ入札の開始時刻を日本時間に直し忘れる。
- 写真だけで判断:気になる点がある場合は、オークションハウスに追加の写真や説明を問い合わせる。
まとめ
- オークションの探し方は、各オークションハウスのサイトや、NumisBids・Sixbid・Biddrなどのまとめサイト。
- 登録は早めに。初回は本人確認などが必要なこともある。
- 規約で、手数料・通貨・支払い・送料・保証を確認する。
- 上限額は、手数料・送料・税金を含めた総額で決める。
- 日本で受け取るときは、輸入の消費税がかかるのが一般的。
はじめは、手頃な価格のロットで一度流れを体験してみるのがおすすめです。慣れてくると、世界中のオークションから欲しいコインを探せるようになります。
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※本記事はコイン収集の情報提供を目的としたもので、投資や売買を勧めるものではありません。手数料・規約・税金の条件は変わることがあるため、各オークションハウス、税関などの最新情報をご確認ください。